享楽のイノベーション

前回は、欲望のひみつについてご説明しました。欲望の水準だけで考えても、ひとびとのニーズや欲求を満たすことや、素晴しい体験を実現することだけでは、欲望は説明できないという話しでした。しかし、欲望を増幅させるだけでは、本当の意味で人々を熱狂させるイノベーションにはなりません。そこで欲望に関する議論を少し進めたいと思います。

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ダイアログ:無意味の意味を考える:ビジネスと人文知

イノベーションは単にサービスやプロダクトを世に投じることではない。人々が信じていた価値観や意味を置き換える。たとえばスピードを捨て、定時運行に舵をきった蒸気船、通話をすることではなく、ビジネスや文化のプラットフォームを提供したスマートフォンなど。そこにはこれまで人が良しとしてきたもの、重視してきたKPIを置き換えたり、反転させてしまう力がある。

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イノベーションの欲望

エステティック・ストラテジーの根幹に「欲望」の概念があります。欲望は悪いものだと思われているので、欲望をデザインするというと、少し誤解があるかもしれません。しかし、私たちはむしろ欲望を積極的に捉えることを提案しています。まず今回は、欲望のひみつを理解し、デザインの意味を捉え直します。

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ダイアログ: イノベーションのアート: 新しい価値創造の方向性

イノベーションはアートであり、アートはイノベーションである。イノベーションは、消費者の潜在ニーズを満たすことではなく、人々の新しい自己表現の可能性を拓くことによって生まれる。そのためには、社会をするどく読み解き、それまでの価値基準を転換し、潔く全く新しい世界観を表現しなければならない。京都クリエイティブ・アッサンブラージュでは、このようなイノベーションの方法論を提案している。その講師である佐藤可士和と山内裕が対話を通して、この方法論の理論と実践を明らかにする。

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セックスの不可能性

これまで2回(1, 2)に分けて、私たちのアプローチが、バトラーのジェンダーのパフォーマティヴィティの考え方から大きな影響を受けてきたことを説明しました。しかし、結局パフォーマティビティの考え方から微妙に離れていくことになりました。実践するだけならここまで知る必要はないかもしれませんがエステティック・ストラテジーの理論の根幹に関わるため、そのあたりの経緯をご説明したいと思います。

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ジェンダーとメランコリア

前回はジェンダーのパフォーマティヴィティにおける身体のカタさについて議論しました。次に、ジェンダーの呪われた側面について議論したいと思います。これが私たちのアプローチにとて、とても重要となります。ジェンダーについて考えるということは、人がどのように社会的な主体になるのかという問題について取り組むことです。主体がどのように形成されるのかという点について...

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ジェンダーのパフォーマティヴィティ

エステティック・ストラテジーの構想は、実はあまり明示的には議論していませんが、ジェンダーのパフォーマティヴィティの議論に大部分依拠しています。エステティック・ストラテジーを理解しやすくするためにも、一度ご説明しておきたいと思います。後編はこちらです。

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ダイアログ: アートの前衛をつないでいくビジネス -アーツアンドクラフツ運動に始まる英老舗リバティの試み-

この数年間、特に日本のなかで「アートがビジネスに役立つ」 と言われます。 思考や行動パターンなどいろいろな点からアートが評価されていますが、「アートヒストリーがビジネスに役立つ」 とはあまり聞きません。しかし、 アートヒストリーの追求がビジネスに貢献する力は軽視できません 。

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デザインの持続‹不›可能性 (後編)

前回は、持続可能性のためのデザインにおいて、自然など存在しないというところから出発する必要性を確認しました。では具体的に何ができるのでしょうか。企業の方々は真剣に持続可能性のために何をするべきかを考えています。しかし、それで生み出されるものが、例えば再生素材を使った商品や再生可能エネルギーで作ったサービスであったりします...

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持続可能性のためのデザイン (前編)

現在は持続可能性が経済活動の前提となっている時代です。しかし、持続可能性を、単に自然を守る、リサイクル素材を使うなどの問題に落とし込んでしまうと、持続可能性の問題から目を背けていることになってしまいます。持続可能性を考え抜いたとき、どういうアプローチが必要なのかをまとめてみました。2回に分けてまとめたいと思います(後編)。

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ポッドキャストを始めました。

京都クリエイティブ・アッサンブラージュの山内らがポッドキャストを始めました。京都クリエイティブ・アッサンブラージュで扱っているエステティック・ストラテジーの内容もカバーしています。講義や記事などでは簡潔にまとめなければなりませんが、その背景などを丁寧に説明しています。

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なぜビジネスにとってアートが重要か

なぜ今、アートであり、美学なのでしょうか? 特に、なぜビジネスにとって必要なのでしょうか? 結論から言うと、資本主義における価値の源泉が、資本主義の中心原理である「道具的合理性」を中断する動きに移っているということです。アートはこのような意味のシステムを中断し攪乱します...

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イノベーションとは欲望を深めること

先日の、持続可能性のためのデザインの記事に関していくつか質問を受けたので説明したいと思います。欲望を増幅させることがなぜ社会批判となり、持続可能性のためのデザインの根幹となるのかという点です。この点が完全には明確になっていませんでした。企業は欲望を増幅させ利益を上げるべきなのです...

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持続可能性のためのデザイン

京都クリエイティブ・アッサンブラージュを進める中で、持続可能性について聞かれることが多くなってきました。第二部をご担当いただいている京都工芸繊維大学の水野大二郎先生は、人新世におけるデザイン、サーキュラーデザイン、スペキュラティブ・デザインなどを推進されていますが、私が書いてきたこと(つまりエステティック・ストラテジー)とどのように整合するのかが見えにくかっ...

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私たちのアプローチ - エステティック

京都クリエイティブ・アッサンブラージュの第一期が終了しました。もう一度、私たちのアプローチを説明したいと思います。このアプローチは、これまで「文化のデザイン」、「歴史をつくるデザイン」などと呼んできましたが、やはり全く響かないので「エステティック・ストラテジー」という名前にしてみました。エステティック・ストラテジーは、これまでおよそ8年間やってきた私の研究成果の名称で、京都クリエイティブ・アッサンブラージュの考え方の土台になっているものです。

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ダイアログ:クィアでないクィア生活 –新しい世界観をつくる方法–

LGBTQの人々が社会において自らの居場所を作り出すために、どのような表現が可能だろうか。レズビアンやゲイなど自らのカテゴリーをもとに対等な関係を求めるアイデンティティに関する政治は、分断がさらに強固になる社会において行き詰まりを見せているので はないか。「フツー」の生活プロジェクトは、レズビアンやゲイの生活を、素人である「フツー」の人々が、マンガという「フツー」の媒体で、奇妙なもの (クィア) ではない「フツー」なものとして表現していく。それは、社会から...

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ダイアログ:描くことと創ること –ことばからの広告史–

「広告をつくる」という言葉の多くは、モチーフとなる商品をメディアというカンヴァスに上手に描くことを意味している。一方で広告は描写を装った創造であることも多い。男性用便器をひっくり返して「Fontaine」と名付けるとアートになったように、美しいフォルクスワーゲンビートルの写真に「Lemon.」と言葉を添えると不良品になる。ファベーラの街の壁をペインティングすることでスラムの街が再生 されたように、制汗剤のシーブリーズのキャップを交換して使い切ると二人の願い が叶う。世界最初の広告は...

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