イノベーションは単にサービスやプロダクトを世に投じることではない。人々が信じていた価値観や意味を置き換えるものだ。たとえばスピードを捨て、定時運行に舵をきった蒸気船、通話をすることではなく、ビジネスや文化のプラットフォームを提供したスマートフォンなど。そこにはこれまで人が良しとしてきたもの、重視してきたKGI / KPIを置き換えたり、反転させてしまう力がある。イノベーションの実現には既存のKGI / KPIを追求することではなく、むしろそれを反転させる可能性を考えることが重要になる。 「無意味」は、今の社会から無視されているもの、軽視されているものを指す。一見取るに足らないと思われる無意味はしかし、明日の「意味」の可能性をはらんでいる。コンテクストデザインを通して「取るに足らないもの」の価値を探る渡邉康太郎氏と、「既存の意味のシステムの解体」をイノベーションとするKyoto Creative Assemblageの講師陣が対談を通して「無意味」の意味を問い直す。

日時:12月26日(火) 19:00-20:30

オンライン(zoom)
申込はこちら https://dialogue009.peatix.com

講師

渡邉 康太郎(わたなべ・こうたろう)

Takram コンテクストデザイナー。使い手が作り手に、消費者が表現者に変化することを促す「コンテクストデザイン」を掲げ活動。組織のミッション・ビジョン・パーパス策定からアートプロジェクトまで幅広いプロジェクトを牽引。関心事は人文学とビジネス、デザインの接続。主な仕事にISSEY MIYAKE の花と手紙のギフト「FLORIOGRAPHY」、一冊だけの本屋「森岡書店」、北里研究所、日本経済新聞社やJ-WAVE のブランディングなど。同局のラジオ番組「TAKRAM RADIO」ナビゲーターも務める。著書『コンテクストデザイン』は青山ブックセンターにて総合売上1位を記録(2022年)。趣味は茶道、茶名は仙康宗達。大日本茶道学会正教授。Podcast「超相対性理論」パーソナリティ。国内外のデザイン賞の受賞多数。また独iF Design Award、日本空間デザイン賞などの審査員を歴任。慶應義塾大学SFC特別招聘教授。

山内裕(やまうち・ゆたか)

京都大学工学部情報工学卒業、京都大学情報学修士、UCLA Anderson Schoolにて経営学博士(Ph.D. in Management)。 Xerox Palo Alto Research Center 研究員を経て、京都大学経営管理大学院に着任。鮨屋、フレンチ、アパレルなどのサービスをはじめ、デザインやアートなどを含めた文化の経営学を研究している。主な著書には、『組織・コミュニティデザイン』(共立出版、共著)、『「闘争」としてのサービスー顧客インタラクションの研究』(中央経済社)など。2021年度から文部科学省価値創造人材育成拠点形成事業として「京都クリエイティブ・アッサンブラージュ」を立ち上げる。
https://yamauchi.net